今日は、失敗はどんどんしよう!という「失敗のススメ」のお話。
大人も子どもも、誰だって失敗するよりは成功した方が良いに決まっています。というか、失敗を目指して何かをしているわけはなく、当然成功を目指して何かをしているのです。
失敗は、時に様々な痛みを伴います。人から批判されたり、怒られたり、時間を無駄にしたり、お金を余計に費やしてしまったり・・・。だから、人は失敗しないようにしないように物事を進めるようになります。このこと自体はそれほど悪いとは思いません。なぜなら、そうやって事前に失敗の芽を摘むための様々なシミュレーションをすることで、成功の確率を上げるよう準備をすることを学ぶからです。
ですが、いつでも100%完璧に失敗を回避できるわけではありません。その結果、失敗は訪れます。問題はこの先です。我が子が失敗をした時に普段どんな対応をしていますか?
・またやっちゃったの?
・なんで言うこと聞けないんだ!
・ダメって言ったでしょ。
といった声をかけてしまってはいませんか?これらはすべて「親の私は分かっていたから転ばぬ先の杖を提示してあげたのに、案の定やっちゃって・・・もう!」という”叱責”です。親の自分が正しく、自分の言うとおりにしていれば失敗なんてしなくて済んだのに・・・という”親の正当性アピール”です。これらは、怒りとなって親の言うことを聞かなかった子どもへの罰として子どもへ向けられます。
・高いところは危ないから登らせない
・ハサミや包丁は危ないから持たせない
・花火をする時もマッチは使わせない
・小さな子はコップに入れた牛乳を持たせるとこぼすから運ばせない
これらはみな、大人は経験しているからこそその危なさを分かっていて、なおかつ危なくないようにするためにどういった注意が必要か?も分かっています。だから危険を事前に察知して回避できるのです。それなら、子どもにも経験をさせなければ分からないではないでしょうか。危ないことをさせる時に必要なのは、危ないからと言ってそれらを事前に親が排除し無菌室で育てるのではなく、周囲の大人たちが安全をしっかり確保した状態で注視しながらさせてみる。手を添えてあげる。やり方と注意点をしっかり事前に説明してあげる。こういった環境整備をしてあげた上で経験を積ませるのが、大人特に親がすべきことではないでしょうか。
ほんの小さなステップで良いのです。最初から出刃包丁を持たせ硬いニンジンを切らせる必要はありません。おもちゃの包丁でおもちゃの野菜を切るところから始め、本番は必ず親が手を添え猫の手を作らせ先ずは切りやすそうなキュウリから・・・とか。そのステップを出来るようになったら、そのたびに安全に扱えたことを伝え褒めてあげる。これを繰り返していけば、少しずつですが確実に出来ることが増えていくことでしょう。
そして大事なのは、その過程でもし指の皮を少し切ってしまった時の声掛けです。親が大きな声を上げアタフタしていては、それを見たり聞いた子どもは「これは大変なことをしてしまったんだ」「ダメなことをしてしまった」という気持ちになり、次のチャレンジする気持ちを削いでしまいます。ビックリし過ぎず落ち着いて、少しの怪我は想定内であることを伝え、しっかり手当てをしてあげます。そして、「次はこうしたらケガしないで済むね」と教えてあげます。そうすることでその怪我という失敗から子どもは学び、次の成功に繋げようとします。コレが大事なのです。
その次に大事なのは、必ず成功体験を積むまでサポートしてあげることです。失敗体験で終わらせてしまえば、苦手意識が芽生えて次やりたくなくなります。出来るだけすぐに再チャレンジし成功を体験させてあげ、出来たことを褒めたり祝ったりしてあげる。これが、次にもう少しだけ高いハードルをチャレンジしようと思う動機になります。このサイクルをグルグル回すことこそが成長なのです。
このサイクルにある程度の失敗は必要だということがお分かり頂けたでしょうか。
「失敗は成功のもと」とは良く言ったものです。
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